さいしょに
こんばんは、あなたの白井舞です。tafotsの名で歌を詠んでいます。
以前のブログ、1年で1000首をつくるからお引っ越しをしました。
ちなみに、1年1000首は2009年6月25日から2010年6月8日で達成しました。

つくった短歌と俳句、読んだ歌集や句集の感想などを書いておきます。

かしこ
051:囲(tafots)
ほんとうの使われかたは栲衾しらないでいる蕎麦屋の囲炉裏
050:活(tafots)
大鉢へ花ぐはし花活けられてはだかとなりぬ幹に春が来
049:敷(tafots)
六ヶ敷い、むつかしいと陽炎のほのかに笑みて祖母は悩めり
048:謎(tafots)
つがの木のいやつぎつぎに謎を解く「導きの手は吾と共に在り」
047:ふるさと(tafots)
露霜のふるさと滅びうたかたの息で奏でているメロディオン
046:犀(tafots)
這ふ蔦のおのがむきむき雄雌の犀それぞれの柵へ降る雨
045:罰(tafots)再送
あぢむらの騒いだ罰として書いた地球一周ぶんの恋文
044:ドライ(tafots)
曇り夜の迷はぬやうにおまもりはドライカレーを詰めた水筒
043:輝(tafots)
まそかがみ輝る肩まるくまるく這う唇にある細いかさぶた
いつも真剣に考えて感情や不安や思いを歌にしているのに、できあがった短歌を見るとまったくわけが分からない。
042:稲(tafots)
射目人の伏見稲荷を薙ぎ倒す御手ふくやかに審判の朝
041:喫(tafots)
クッキーを消去しているぬばたまの漫画喫茶の天井 低い
040:勉強(tafots)
船余り帰り来兄を待ちわびて勉強机は駝鳥になりぬ
新しい枕詞
金子武雄『称詞・枕詞・序詞の研究』
第二編【枕詞の研究】 第四章 p.148〜

(1)他の語――枕主語となる語との間に、意味上あるいは音声上必ずなんらかの関係のある語であること。
(2)その語――枕主語となる語との間に、意味上の実質的な接続関係がなく、それを含む文の本義には関与しない語であること。

(中略)

たとえだれかがたった一度だけしか用いなかった語であっても、右にあげた二つの条件さえそなえておけば、それは枕詞としてみとめてよいと思う。したがって文献にたった一つの使用例しか見当たらない場合、社会化の証がないとして枕詞であることを認めまいとする態度を取るべきではなく、枕詞の本質的な条件をそなえているかどうかで判断すべきであると思う。


金子氏の枕詞に対するスタンスは古い歌を読む際に「この語句は枕詞なのか違うのか」を見定めるためのルール設定だが、短歌を作る上でも大いに勇気づけられる。なにしろ枕主語として知られている単語に古語や使わない表現ばかりでは、その枕詞はとれない。私は現代語で(口語というよりは現代語で)旧仮名遣いで歌をつくりたい。“枕詞の本質的な条件をそなえて”いるように、使える単語を枕主語としたいのだ。

どうすれば新しい枕主語を自然に使えるかしら。枕詞に意味があると思われてはいけないし、まったく遠すぎても歌の印象がばらけてしまうし、なにより実感がともなわねばならないと思う。光、と感じたときに「ひさかたの光」と思う心があればこその「ひさかたの」なのだ。
ところが心が同じであることを求め始めると掛詞系の枕詞がいよいよ難しくなってくる。というところまで考えたので続きはまた今度。
039:蹴(tafots)
雪として降つただらうに蜷の腸か黒きかたまりを蹴り砕く
038:的(tafots)
さくらばな栄え少女らそれぞれの乳房に小さき的を具へて
037:牙(tafots)
なのりその名を遺しゆく剣牙虎のせめて牙のみ連れ帰らまし
うっかり
直前の人への返歌みたいになった…
036:右(tafots)
紐の緒のいつがりにける指を恋ひ右の手すこし軽くなりにき
035:むしろ(tafots)
嘘をつくつもりはなかった いなむしろ川へ流したたくさんの舟
034:聞(tafots)
花落つると聞こゆ そらみつ大和芋すりおろす手の赤白まだら
033:滝(tafots)
石走る滝を見るため下りゆくエレベーターの中の静寂
032:詰(tafots)
萎草の女々しく雪はとけのこる 酪酥に沈め缶詰の枇杷
031:大人(tafots)
セックスが上手くなっても大人にはなれない はるひ春日山駅
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030:敗(tafots)
春花のたふとき花を与へたい 敗北になほ慣れえぬ母へ
029:座(tafots)
蕗に座す武士の月代うつくしい まきさく檜(ひ)より檜へ散るひかり
028:脂(tafots)
ささがねの蜘蛛駆る武士は粛然と「刃が脂に鈍りて候」
027:損(tafots)
なよたけのふしのぶんだけ損だけどもともと僕のものでもないし
026:シャワー(tafots)
みなしたふウォシュレットへの言及が シャワートイレと直されている
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