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飯田彩乃さまの歌からお気に入り一首
こちらで拙歌から5首を読んでいただいたご縁で飯田彩乃さんの題詠100首を拝読しました。
10首ごとにひとつの物語を示唆しているようで、楽しく読みました。

その中でも一首、お気に入りを選んでみました。


001:初 ある人の初めてばかりをしたためた手帳の盗難届が出てる


初めてのデート、初めてのキス、初めてのセックス、たくさんの初めて行った場所。
そうした「初めて」をすべて記した手帳が、頭の中にあったのでしょう。
なのに盗まれてしまったらしい。きちんと盗難届を出しているし取り返したいようです。
この「ある人」はもしかしたらバックアップ(初めての相手)を失ってしまったのかも。

歌の主体はきっと、手帳を盗まれてしまった人をよく知っているのでしょうね。
けれども、見つからなくてもいいんじゃないか、と思っているようにさえ見えます。
「ふーん、なくなっちゃったんだ」といった感じです。

「盗難届」という固く重たい単語を、「出てる」という投げやりな言葉でしめくくることで
そうした距離感があらわされているのかもしれません。
すると「したためた」なども別の無感動な動詞のほうが良いのかな。「したため」るという語に、
手帳に丁寧に思い出を書き込んでいる「ある人」への同情がちらりとかいま見えます。

手帳を盗まれたという「ある人」へ、同情しつつも応援はしない。見つからなくても良いと思ってる。
そんな微妙な距離、気持ちを感じました。いいお歌です。


追伸:
ほかにもっと好きなお歌もありましたが、語るのが面白そうなほうを選んでしまいました。
以下の三首も好きです。
024:謝 謝れば許すあなたに許されてしまうわたしを許せないでいる
036:暑 ゆっくりと記憶は溶けて暑かったことしか思いだせない日がくる
079:雑 飲みかけのコーヒー読みさしの雑誌 突然のきみのテレポートのあと
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